川きゅう(せんきゅう)
基原
セリ科(Umbelliferae)のセンキュウCnidium officinale Makinoの根茎を、通例、湯通ししたもの
主な薬理
川きゅうは、婦人病に適応される当帰芍薬散、温経湯や、頭痛に用いられる川きゅう茶調散に配合される生薬です。
川きゅう単独では、以下に示す末梢血管拡張作用、抗血栓血症が報告されています。
活性成分
- [末梢血管拡張作用]4-6)
- 精油成分
- [抗血栓作用]7)
- 川きゅう水製エキス
- [中枢抑制作用]3,4)
- 川きゅう水製エキス,精油成分,エーテルエキス
- [鎮痙作用]8-10),12,13)
- リグスチリド(ligustilide),ブチリデンフタリド(butylidenephthalide)クニジリド(cnidilide),センキュノリド(senkyunolide)
- [腸管血流量増加作用]14)
- 川きゅう水製エキス
- [皮膚温上昇作用]15)
- 精油成分
- [免疫賦活作用]16-20)
- 川きゅう水製エキス
引用
1) K.Kondo,et al. :J.Plant Res.,109,21(1996).
2) 秦野一彦ら:生薬学雑誌,24,81(1970).
3) 金島弘恭ら:道立衛研年報,25,12(1975).
4) 金島弘恭ら:道立衛研年報,26,22(1976).
5) 山原條二ら:薬学雑誌,100,713(1980).
6) 松本鎮夫:岐阜医紀,6,554(1958).
7) 寺沢捷年ら:薬学雑誌,103,313(1982).
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10) 柯文 昌ら:日薬理誌,74,171(1978).
11) 小林 誠ら:和漢医薬学会誌,6,500(1989).
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14) T.Ohmoto,et al. :生薬学雑誌,39,28(1985).
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17) 大谷とし子ら:第11回日本免疫学会講演要旨集,p.563(1981).
18) 小島保彦ら:Proc.Symp.WAKAN-YAKU,13,101(1980).
19) 竹部麻美ら:日本薬学会第113回年会講演要旨集,168(1993).
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21) 内藤 崇ら:Natural Medicines,49,425(1995).
川きゅう(せんきゅう)が使われる代表的な漢方処方
- 葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
- 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 七物降下湯(しちもつこうかとう)
- 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
- 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
- 疎経活血湯(そけいかっけつとう)
- 抑肝散(よくかんさん)
- 温清飲(うんせいいん)
- 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
- 治頭瘡一方(じずそういっぽう)
- 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
- 五積散(ごしゃくさん)
- 女神散(にょしんさん)
- 四物湯(しもつとう)
- きゅう帰膠がい湯(きゅうききょうがいとう)
- 柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)
- 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
- 当帰飲子(とうきいんし)
- 治打撲一方(じだぼくいっぽう)
- 大防風湯(だいぼうふうとう)
- 酸棗仁湯(さんそうにんとう)
- 温経湯(うんけいとう)
- 猪苓湯合四物湯(ちょれいとうごうしもつとう)
- 川きゅう茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)