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漢方薬は、「患者との関係性」を良好化し、「再診率」の向上にも寄与

公開日:2010.07.28
カテゴリー:漢方ニュース

r_kampo_ca2 エビデンス情報が増えてきたこととあいまって、西洋医学の医師の間でも「漢方薬」を日常診療において処方する動きが広がりを見せている。
 そこでQLifeは全国の開業医にアンケート調査を行って(有効回答200人)、漢方薬が診療所の医療現場でどんな役割を果たし、どんな「困ったエピソード」を引き起こしているのかを浮き彫りにした。

※この記事は、開業医の日常使用は9割、ただし漢方薬にまつわる「困ったエピソード」もさまざまの続きです。

4:「漢方薬の処方」をすることは、治療効果とは別に、「患者との関係」に良い/悪い影響があると思いますか。

漢方薬の処方は「患者との関係性」良好化に寄与すると答えた医師が、全体の約半数にのぼった。特に、「20-30代の女性」「更年期の女性」患者層が多い医院においては、それぞれ66%、71%が患者関係にプラスになるとしている。

「患者との関係」に良い/悪い影響があるのはなぜですか。
(「漢方薬の処方」が「患者との関係」に良い/悪い影響があると答えた人のみ)

「漢方薬処方」が患者との関係性に影響を及ぼすと考える医師に、その具体的理由を自由に記載してもらった。記載内容を分類(複数に該当するものは重複カウント)したのが以下のグラフ。

一番多かった回答は、「副作用が少ないから」「副作用がなく安全と患者が勘違いしているから」というもので、安全性の高い治療をする医師という印象が得られるメリットを挙げた。

次に多かった理由は、「治療法が増える、診療の幅が広がる」という内容であった。

3番目に多かったのが「西洋薬に限界ある際に改善あるから」。さらに「即効性がある」「プラセボ効果が得られる」も含めると、「効果」関連で患者信頼が上がるメリットを挙げた医師は合計25%。

他には、「漢方薬を希望」という患者ニーズに応えること自体が関係良好化に役立つと考える医師や、「西洋薬よりも受け入れられやすい」とする医師もみられた。

やや目を引いたのは、漢方に特徴的な診療方法により「患者とのコミュニケーションが増すために、関係が良くなる」とする意見。

一方で、少数派ながら患者との関係性が逆に「悪化する」とした医師の具体的理由には、以下があった。

6:「漢方薬の処方」をすることは、平均的・総合的にみて、患者の再診率の向上に寄与していると思いますか。

注:「再診率」=「継続通院すべき患者が、無断で治療中断・転院することなく、自院に定期通院する率」と定義した

55%の開業医が、漢方薬処方が「再診率」の向上に寄与していると考える。
「患者層の特徴」別にみると、前問と同じく「20-30代の女性」「更年期の女性」患者層が多い医院においては、「再診率向上」はそれぞれ74%、78%と高率だ。「収益状態」別には、違いは見られなかった。

なぜ儲かっている開業医は漢方薬を使うのか、治療効果以外にもメリットあるのか

  1. 開業医の日常使用は9割、ただし漢方薬にまつわる「困ったエピソード」もさまざま
  2. 漢方薬は、「患者との関係性」を良好化し、「再診率」の向上にも寄与 «
  3. 開業医の3人に1人は「今後、漢方薬増やす」、最も影響を与えているのは「医学誌」

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