黄ごん(おうごん)
基原
シソ科(Labiatae)のコガネバナScutellaria baicalensis Georgiの周皮を除いた根
主な薬理
黄ごんは、炎症を主訴とする乙字湯、肝機能障害を主訴とする小柴胡湯、高血圧症を主訴とする大柴胡湯、黄連解毒湯に配合される生薬です。
黄ごん単独では、以下に示す抗炎症作用、肝繊維化抑制作用などが報告されています。
活性成分
- [抗炎症作用]1,2,7)
- バイカリン(baicalin),バイカレイン(baicalein)
- [プロスタグランジン産生抑制作用]3-5)
- バイカレイン(baicalein)
- [肝繊維化抑制作用]6)
- バイカリン(baicalin)
- [抗アレルギー作用]7-9)
- バイカリン(baicalin),バイカレイン(baicalein)
- [利胆作用]10)
- バイカリン(baicalin),バイカレイン(baicalein)
- [抗ウィルス作用]11)
- 5,7,4-トリヒドロキシ-8-メトキシフラボン(5,7,4-trihydroxy-8-methoxyflavone)
- [抗腫瘍作用]12)
- バイカレイン(baicalein)
- [解毒作用]13)
- バイカレイン(baicalein)
引用
1) M.Kubo,et al. :Chem.Pharm.Bull.,32,2724(1984).
2) 永井隆之ら:和漢医薬学会誌, 4,466(1987).
3) R.Kyo,et al. :Biol.Pharm.Bull.,22,1387(1999).
4) Y.Kimura,et al. :Chem.Pharm.Bull.,34,2279(1986) ,Phytother. Res.,1,48(1987).
5) 丹野恭夫ら:和漢医薬学会誌, 3, 296(1986).
6) I.Shimizu,et al. :Hepatrogy.,29,149 (1999).
7) 木村善行ら:現代東洋医学, 8, 57(1987).
8) Y.Kimura,et al. :Chem.Pharm.Bull.,34,2279(1986).
9) 江田昭英:現代東洋医学,8,4,41(1987).
10) 熊崎平蔵:岐阜医紀, 6,94,(1955) ,6,153(1955) ,6,164(1955) ,6,372(1958) ,熊崎平蔵:日薬理誌,53, 215(1957).
11) T.Nagai,et al. :Chem.Pharm.Bull.,38,1329(1990).
12) Y.Kimura,et al. :Chem.Pharm.Bull.,29,2610(1981).
13) 久保木憲人ら:薬局,13,1011(1962) ,14,968(1963).
黄ごん(おうごん)が使われる代表的な漢方処方
- 乙字湯(おつじとう)
- 大柴胡湯(だいさいことう)
- 小柴胡湯(しょうさいことう)
- 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
- 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
- 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
- 潤腸湯(じゅんちょうとう)
- 五淋散(ごりんさん)
- 温清飲(うんせいいん)
- 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
- 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
- 女神散(にょしんさん)
- 柴陥湯(さいかんとう)
- 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
- 柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)
- 二朮湯(にじゅつとう)
- 清肺湯(せいはいさん)
- 柴朴湯(さいぼくとう)
- 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
- 小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)
- 清心蓮子飲(せいしんれんしいん)
- 三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)
- 柴苓湯(さいれいとう)
- 三物黄ごん湯(さんもつおうごんとう)