桔梗湯(ききょうとう)
公開日:2022.12.28
カテゴリー:外来でよく使われる漢方薬
監修:井齋偉矢先生(日高徳洲会病院院長/サイエンス漢方処方研究会理事長)
構成生薬
- 甘草(かんぞう)
- 桔梗(ききょう)
作用の特徴
のどの炎症を抑える、含み飲み(後述)をすると効果的
対象となる症状
咽頭の炎症
解説
桔梗湯(ききょうとう)は、甘草と桔梗という2つの生薬でできた漢方です。身体の部位の中でも、のどは外界に直接接している場所です。そのため、炎症のパターンも独特の形があり、漢方薬ものど専用のものができたと考えられています。
桔梗湯は、服用の仕方に特徴があり、含み飲みをします。これは、少し(50mL)の水かお湯に1包を溶かし、少しずつ口に含んで痛みがある部分になじませてから飲み込む方法です。
エビデンス情報
桔梗湯の術後咽頭痛に対する桔梗湯の有効性の評価
全身麻酔下で手術した健常または軽微な基礎疾患がある女性患者70例を対象に、二重盲検ランダム化比較試験を実施しました1)。麻酔覚醒直後、3時間後、24時間後の咽頭痛と嘔気を評価したところ、桔梗湯投与群では、麻酔覚醒直後の咽頭痛発生率の有意な低下と3時間後の咽頭痛低下傾向を認めました。また、咽頭痛の強さは桔梗湯投与群で覚醒直後も3時間後も有意な低下を認めました。一方、嘔気には、観察期間中に両群で有意差はみられませんでした。
- 参考
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- Kuwamura A, et al. J Altern Complement Med. 2016; 22(4): 294-297