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小柴胡湯(しょうさいことう)

公開日:2022.03.28
カテゴリー:外来でよく使われる漢方薬 監修:井齋偉矢先生(日高徳洲会病院院長/サイエンス漢方処方研究会理事長)

構成生薬

作用の特徴

炎症を速やかに抑える
活動性の炎症があれば間質性肺炎は起こらないと考えられる

対象となる症状

解説

 小柴胡湯(しょうさいことう)は、かつて肝炎や肝機能障害、肝がんの予防などに用いられていましたが、現在では抗ウイルス薬などの西洋薬で治療が可能になったため、肺や気管支の炎症、脳血管障害に伴うものをはじめとする脳に起こる炎症の治療薬として用いられることが多くなりました。

 肺炎の急性期では、1週間は少なくとも4時間ごとの投与が必要となります。最近では、新型コロナウイルス感染症による肺炎にも用いられています。ただし、インターフェロン製剤を投与中の人、肝硬変や肝がんの人、慢性肝炎で血小板数が10万/mm3以下の人(肝硬変が疑われる)への投与は間質性肺炎などの重篤な副作用が出るおそれがあるため、禁忌となっています。

エビデンス情報

感冒に対する小柴胡湯の有効性、安全性の評価

 発病後5日以上経過した感冒患者でかつ年齢は25才以上75才以下、口内不快(口の苦み、口の粘り、味覚の変化)、食欲不振、倦怠感のいずれかを伴う感冒患者250例を対象に、二重盲検ランダム化比較試験を実施しました1)。投与期間は1週間以内で全般的な改善度や症状別改善度、安全性を評価しました。全般改善度はプラセボ群と比較し小柴胡湯投与群で優れ、投与3-4日後では咽頭痛、倦怠感、投与終了時には痰の切れ、食欲、関節痛・筋肉痛の項目でプラセボ群と比較し小柴胡湯投与群が有意に優れていました。

参考
  1. 加地正郎ほか. 臨と研 2001; 78: 2252-2268
  2. 鳥羽研二. 代謝1992; 29suppl: 350-354
  3. 鳥羽研二. 第8回東京内科漢方研究会講演内容集 1993; 8: 31-42

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