外来でよく使われる漢方薬
外来でよく使われる漢方薬や一般的に知られる漢方薬について、作用の特徴やエビデンスを紹介します。
人参養栄湯(にんじんようえいとう)
人参養栄湯は、体の働きを補う補剤のひとつで、全身の栄養状態を改善する漢方薬です。十全大補湯と同じく、がんなどで体力や免疫機能も落ちてしまったときに用いられます…
コラム:人によって異なる漢方薬の作用
漢方薬がもたらす効果について、西洋薬と比較しながらもう少し詳しく解説します。実は漢方薬には「服用した人と呼応(反応)した時だけ薬剤の作用をする」という特徴があ…
麻黄湯(まおうとう)
麻黄湯の名は、その主成分である麻黄から付けられたと考えられています。また、A型インフルエンザウイルスの増殖を抑制する研究結果も報告されており1)、現在初期のインフ…
葛根湯(かっこんとう)
一般的に葛根湯は「初期のかぜ薬」として用いられることの多い漢方薬ですが、かぜ症状の改善については、切れ味が鈍いことも少なくありません。
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
半夏瀉心湯の「瀉心」とは、「みぞおち付近のつかえを解消する」という意味で、胃腸炎や消化不良、嘔吐、二日酔いなどの消化器疾患に幅広く用いられます。また最近では、…
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
牛車腎気丸は、高齢の特に男性で、夜に何度もトイレに行くというというような頻尿の改善によく用いられます。また、下半身のしびれ、坐骨神経痛など、主に「下半身」の病…
五苓散(ごれいさん)
五苓散は、体内の水分代謝の異常を調整する代表的な漢方薬で、むくみのある状態では利尿作用を、脱水の状態だと水分を保持するという働きを持っています。最近の研究では…
麦門冬湯(ばくもんどうとう)
麦門冬湯は、中国後漢末期の官僚で医師である張仲景(ちょう ちゅうけい)によって書かれた中国の古典医学書『金匱要略(きんきようりゃく)』を出典とした薬で、咳を鎮め…
加味逍遙散(かみしょうようさん)
加味逍遥散は、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸と並んで「女性の三大処方」と呼ばれ、女性に多く使われている漢方薬のひとつです。加味逍遥散は、イライラ、不眠、疲れやすいなど…
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
芍薬甘草湯はその名の通り、芍薬と甘草という2種類の生薬から作られた漢方薬です。芍薬甘草湯は、こむら返り(腓腹筋けいれん)のような、筋肉のけいれんや収縮に伴う痛み…
六君子湯(りっくんしとう)
六君子湯は、漢方薬の代表的な胃薬のひとつです。胃粘膜を保護する作用や、胃の内容物の排出を促進させる作用、抗ストレス作用など、ひとつで多くの作用を持ちます。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
補中益気湯は「中(おなか)を補い、気(元気)を益す(増強する)」という意味を持つ漢方薬です。その名の通り、消化管機能が衰え、著しい倦怠感があるときに用いられま…
抑肝散(よくかんさん)
漢方で心や精神を示す「肝(かん)」の高ぶりを抑え、興奮やイライラ、筋肉の緊張などを鎮める働きを持つとされる漢方薬です。もともと抑肝散は子どもの夜泣きやかんしゃ…
大建中湯(だいけんちゅうとう)
大建中湯は日本で最も多く使われている漢方薬ですが、一般的にはあまりなじみがないかもしれません。それは大建中湯が、特定の病気の治療にのみ用いられることが関係して…