成分(生薬)別の注意:芒硝(ぼうしょう)
公開日:2010.07.08
カテゴリー:主な副作用と注意の仕方を確認しましょう
監修:秋葉哲生先生(あきば伝統医学クリニック院長)
天然の含水硫酸ナトリウム
Na2SO4・10H2O
またはNa2SO4・2H2O
下痢、腹痛、浮腫などの症状
芒硝(ぼうしょう)は天然の含水硫酸ナトリウムであり、その副作用は、硫酸ナトリウムの作用によるものと考えられています。
洗剤やガラスの原料など幅広い用途で使われている硫酸ナトリウムは、医薬品としては塩類下剤の作用があることで知られています。硫酸イオンは腸壁を自由に行き来することができないため、硫酸イオンが腸管腔内に存在すると浸透圧が高まり、その結果、腸管腔内に水分が移行して腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進します。しかし、芒硝を過剰に服用すると、下痢、腹痛、浮腫などの症状が現れることがあります。
胃腸が著しく虚弱な患者さんには、副作用が出るおそれがあります。また、妊婦さんは、大黄と同じように流早産の危険性が高いため、服用は避けましょう。治療上で食塩制限が必要な患者さんは芒硝にナトリウムが含まれているので、診察の際は申し出る必要があります。
なお、疑問があったら、必ず医師、薬剤師に相談しましょう。