成分(生薬)別の注意:附子(ぶし)
公開日:2010.07.08
カテゴリー:主な副作用と注意の仕方を確認しましょう
監修:秋葉哲生先生(あきば伝統医学クリニック院長)
キンポウゲ科(Ranunculaceae)の
ハナトリカブトAconitum
carmichaeliDebeauxその他
同属植物の塊根
動悸、のぼせ、舌のしびれ、
吐き気などの中毒症状
附子(ぶし)の副作用は、その主要成分「アコニチン」の作用によるものと考えられています。
神経細胞の興奮を伝えるのはナトリウムイオンとカリウムイオンの濃度勾配(濃度の差がある部分)があるためですが、アコニチンの作用が働くと、ナトリウムイオンが細胞膜を通りやすくなるため、神経細胞の機能不全をもたらすことがあります。その結果、動悸、のぼせ、舌のしびれ、吐き気などの中毒症状を起こすわけです。
現在のエキス製剤に含まれている附子はすべて滅毒処理されているため、通常の範囲内で使用していれば附子中毒の心配はありません。けれど、病気の症状や体質によっては、副作用が強く現れる人もいます。
医師にご自分の症状や他にのんでいる薬などを詳しく説明することが何よりも大切です。疑問点は、必ず医師、薬剤師に相談しましょう。