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自然由来の漢方薬、その安全性は?

公開日:2023.03.28
カテゴリー:漢方薬とは 監修:秋葉哲生先生(あきば伝統医学クリニック院長)

厳しい基準をクリアしたものだけが医薬品として流通

漢方薬は、植物や鉱物、動物など自然由来の生薬が原料となっています。

野菜や果物が、産地や採れる時期で味などが異なるのと同じように、生薬も産地や採れる時期で品質に変動があります。そのため、漢方薬は、含まれる成分を一定にすることがとても難しい薬です。

2021年の報告では、医薬品として用いられている生薬のうち、約8割が中国で栽培されたものとされています1)。中国でも栽培されている地域はさまざまで、その年の天候などによっても品質が左右されます。

医薬品として使われる生薬については、栽培から収穫・加工まで、その方法や農薬の種類などの細かな条件をすべて満たしたものが使われています。

漢方薬を扱う各メーカーでは、その生薬の品質をさらにチェックし、その上で日本薬局方という国が定めた基準をクリアしたものだけが、医薬品として使われています。

つまり、いくつもの難関試験をクリアした生薬だけが、医薬品として流通しているのです。

個人輸入や海外での購入は要注意

その一方、同じ「漢方薬」といえども、こうした基準をクリアしていないものも存在しています。例えば、中国国内で販売されているもの、個人輸入で購入したものは、日本における基準の検査がありません。栽培において不適切な衛生環境だったり、農薬が大量に使われたりしていても、買う側がそれを把握することは困難です。

また、漢方薬の製品名が同じだったとしても、偽造品や別の成分が混ざっていたりすることもあります。健康被害が出た場合、国内の医療従事者が十分な情報を持っておらず、症状に迅速に対処できない可能性があるとともに、公的救済制度の対象とはなりません。

漢方薬を入手する際は、個人輸入などは避け、必ず医師や薬剤師に相談をしましょう。

参考
  1. 山本豊ほか. 生薬誌 2021; 75(2) 89-105

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