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のどに何かつかえた感じ・・・咽喉頭異常感症に漢方が有効

公開日:2015.06.10
カテゴリー:漢方ニュース

 咽喉頭異常感症は唾などを飲み込んだ時、のどに何かつかえる感じがする病気です。その原因はさまざまですが、大きく分けて「局所的」「全身的」「精神的」の3タイプに分かれます。このうち、全身的原因による咽喉頭異常感症に漢方が有効であることが分かってきました。
 10月25日、東京・品川で開催された「第30回日本耳鼻咽喉科漢方研究会学術集会」で介護老人保健施設 みずほの里の山際幹和先生が講演した「咽喉頭異常感症と漢方」の内容をご紹介します。

柴朴湯を含めた3剤投与で症状が減少

 咽喉頭異常感症は大きく分けて、鼻や喉頭・気管の炎症性疾患や過敏症、腫瘍性病変などに代表される局所的原因、自律神経失調症や内分泌異常、更年期障害などに代表される全身的原因、うつ病などの精神的原因に分けられます。
 「咽喉頭異常感を訴える患者さんは心身双方の苦痛に悩みながら、耳鼻咽喉科をはじめとする複数の診療科を受診しています。そのうち約15%は自律神経失調症状を有する、いわゆる“全身的原因”の患者さんです」(山際先生)

 心身双方の症状の改善を目的に、山際先生は漢方薬を用いた薬物療法を行っています。柴朴湯(さいぼくとう)とロキシスロマイシン、トフィソパムの3剤併用療法では、投薬1週目から多くの患者さんで咽喉頭異常感が減少しました。過去の薬物治療で効果が認められなかった患者さんにも高い有効性が認められました。
 3剤併用療法で症状が改善した患者さんには、治療レベルを段階的に下げて(ステップダウン)、最終的に柴朴湯単独での治療を続けて廃薬を目指しています。

咽喉頭異常感症治療のゴールは

 年余にわたり治療に抵抗する難治性の患者さんには、「症状が完全に消失しなくても、悪性腫瘍の発生がなければ治療は成功といえます。そのためには、医師と患者が良好なコミュニケーションが取れる環境づくりが必須といえます。
 安全で長期的な全人的治療を行ううえでも漢方治療に期待するところは大きいといえます。

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