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治療の選択肢が広がっている「抗がん剤治療における副作用の軽減」についての大規模患者調査

公開日:2013.03.29
カテゴリー:漢方ニュース
 がんの治療において、抗がん剤治療(化学療法)は手術や放射線治療と並んで主要な治療法の1つとなっていますが、多くの患者さんがその副作用に悩んでいます。そこで、独立行政法人国立がん研究センター研究所 がん患者病態生理研究分野 分野長 上園 保仁先生の監修のもと、がん患者さんを対象に抗がん剤治療ならびにその副作用の軽減策について調査を行いました。
 監修した上園先生は「今回の調査で抗がん剤の副作用に対する患者さんの治療ニーズが非常に高いことが改めて分かりました。多くの患者さんが経験していた“倦怠感・疲れ”“食欲不振”といった症状は、近年、漢方薬が用いられることが増えてきており、食欲不振に対する六君子湯の効果については、作用機序の解明に加え、エビデンスも増えてきています。今後は、こうした漢方医療なども含んだ緩和ケアのより一層の充実が必要となるでしょう」と語っています。抗がん剤の副作用について、調査結果の一部をご紹介します。なお、詳細な調査結果報告書はページ最下部よりダウンロードできます。

約9割の患者さんが抗がん剤の使用で「倦怠感・疲れ」「食欲不振」「吐気・嘔吐」などの副作用の経験

抗がん剤治療経験者のうち、抗がん剤の使用で「何らかの副作用があった」と回答したのが全体の88.1%にのぼりました。平均で3.5種類の副作用があり、過半数が「倦怠感・疲れ」「食欲不振」「吐気・嘔吐」のいずれかの副作用を経験しています。また、最も辛い副作用については、「吐気・嘔吐」が最も多く31.5%、次いで「倦怠感・疲れ」の21.4%となりました。

抗がん剤の副作用

最も辛いと感じた副作用

抗がん剤の副作用は患者さんの日常生活にも大きな影響

92.3%の患者さんが、抗がん剤の副作用で日常生活に「何らかの影響がある」と回答しており、そのうちのほとんどの患者さんが副作用の辛さについて、医師に相談をしています。

抗がん剤副作用で悩んだ経験の有無/副作用について医師に相談したか

お薬を処方された患者さんの半数以上が副作用の軽減を実感

約半数の患者さんが副作用を軽減させるお薬を処方された、と回答しました。また、処方された患者さんのうち、61.2%が薬を服用した結果、副作用が軽減されたと答えています。

抗がん剤の副作用を軽減するための薬を処方されていたか/薬を服用した結果、副作用は軽減されたか

結論概要

抗がん剤使用に伴う副作用は多くの患者さんが、日常生活に影響するほどに悩んでいることが分かりました。患者さんのほとんどが主治医にそのことを相談していながらも、「抗がん剤の中止・減量・変更」や「副作用軽減のための薬の処方」は半分程度にとどまっていて、多くの患者さんは副作用に悩まされながらも我慢を強いられていることが明らかになりました。
抗がん剤(化学療法)による治療は、がん治療において重要な位置を占めているうえ、その治療には患者さんの継続的な治療意欲が必要です。そのためには、副作用を軽減させるお薬の情報をよりこまめに収集していくことが大切です。

詳しい調査内容は以下のpdfファイルより
抗がん剤の副作用とその軽減方法に関する大規模患者調査 結果報告書

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