
四季の恵みを味わう食養生:秋の薬膳弁当
朝晩の冷え込みや乾燥を感じる秋。東洋医学では、秋は五臓でいう「肺」がダメージを受けやすい季節と考えます。この「肺」は、単に肺を指すのではなく、呼吸と気の生成を司り、肺や気管、のど、鼻、皮膚(肌)と関係する臓器で、乾燥を嫌います。「肺」を潤し、夏の疲れを回復する旬の食材を豊富に使ったレシピをご紹介します。
春菊入りれんこんのはさみ焼き

れんこん | 1株(100g) | |
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春菊 | 葉のやわらかい部分(2枝程度) | |
A | 鶏ひき肉(もも肉) | 100g |
玉ねぎ | 1/4個 | |
生パン粉 | 10g | |
しょうゆ | 小さじ1 | |
砂糖 | 小さじ1 | |
塩・コショウ | 少々 | |
強力粉 | 適量 | |
油 | 適量 |
- れんこんは皮をむき3~4mm幅の輪切りを8枚作り、酢水につけておく。
春菊と玉ねぎはみじん切りにする。 - Aと春菊をボウルに入れてよく練り合わせ、たねを作る。
- 1の水気をしっかり切り、片面に薄く強力粉をつけ、2のたねをはさみ軽く押したものを4個作る。
- 3の全体に強力粉を軽くまぶし、両面にフライパンに油を入れ熱し、両面に焼き色を付ける。
- 4を耐熱皿に移し、180度に熱したオーブンに2~3分入れ、中まで火を通す。
- 半分に切り分けて完成。塩を少量振ると味がしまる。
造血に必要なビタミンB6を含むれんこん。鉄分が豊富な鶏もも肉と組み合わせることで貧血予防への相乗効果が期待できます。れんこんは不溶性・水溶性両方の食物繊維を含むため、便秘予防にも。
春菊は、ビタミン類に加え、ミネラルなどを多く含み、栄養価の高さは緑黄色野菜ではトップクラスです。
さつまいもと海老のコロッケ

材料(2人分)
さつまいも | 150g | |
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むきえび | 50g | |
玉ねぎ(みじん切り) | 1/2個 | |
バター | 15g | |
ピザチーズ | 20g | |
塩・コショウ | 各少々 | |
A | 強力粉 | 適量 |
溶き卵 | 1個 | |
生パン粉 | 適量 | |
揚げ油 | 適量 |
- さつまいもは皮をむき、小さめの角切りにしてゆでる。
- むきえびは背わたを取り除き、細かく刻む。
- フライパンにバターを入れて熱し、玉ねぎを炒め色がついたら2を加えて炒め、塩・コショウをする。
- ボウルに1と3とピザチーズを入れ混ぜ合わせ、4等分して俵型にする。
- 4にAの衣の材料を強力粉、溶きたまご、生パン粉の順につけ、180度の油でカラッときつね色に揚げる。
乾燥や便秘が原因の肌トラブルには、食物繊維の宝庫、さつまいもが最適。
「気」や「血」の巡りを良くするえびを入れて肌に栄養を行き渡らせて。
コロッケのたねは、火が入っているので、油っぽくならないように短時間で揚げます。
おからとりんごのサラダ

材料(2人分)
おから(卯の花) | 100g |
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りんご | 1/2個 |
クリームチーズ | 50g |
玉ねぎ | 1/4個 |
にんじん | 1/4個 |
松の実 | 少々 |
ゆで卵 | 1個 |
マヨネーズ | 大さじ2 |
- おからとクリームチーズとマヨネーズを一緒によく混ぜ合わせる。
- りんごは、小さめのいちょう切りに、玉ねぎはみじん切りに、にんじんはりんごと同じようにいちょう切りにしてゆであげておく。
- 1と2を混ぜ合わせ、器に盛りつける。
- きざんだゆで卵、松の実を最後にサラダにのせて完成。
松の実の代わりにきざんだパセリなどでもよいでしょう。
お好きな野菜を加えてアレンジできます。
大豆イソフラボンのほか、肥満予防に効果があるとされるサポニン、悪玉コレステロールを下げるレシチンと食物繊維も豊富なおからに、1日1個で医者要らずとも言われるりんごを組み合わせた、健康的なメニューです。
鮭ときのこのおにぎり

材料(2人分)
ごはん | おにぎり4個分(100g) | |
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鮭(生) | 1切れ(100g) | |
しめじ | 1パック | |
まいたけ | 1/2パック | |
しいたけ | 3枚 | |
A | めんつゆ (濃縮タイプ) |
大さじ2 |
水 | 100mL |
- 鮭は皮と骨を取り除き、ぶつ切りにする。
- しいたけは石づきを切り落として薄切りに、しめじ・舞茸はほぐしておく。
- 鍋に1と2とAを入れ煮詰め、汁気が少なくなったらごはんと混ぜ合わせ、おにぎりを4個作る。
腸の働きを良くする食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富なきのこ。入れるものはお好みの種類でOK。抗酸化物質を多く含む鮭を加えて、風邪予防への相乗効果が期待できます。
秋の過ごし方
外気の湿度が高く、「脾」が疲弊することで消化機能がにぶりやすい夏が終わると、消化管の活動は徐々に活発になり食欲が増します。一方で粘膜の潤いが足りないと、ウイルスへの抵抗力が弱ってしまいます。極端な乾燥は避け、「風の邪=風邪」から身を守りましょう。