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特集・漢方の実力

いま、「漢方の実力」があらためて見直されています。西洋医学では対処法に乏しく、困っている領域はもちろん、西洋医学と肩を並べる最先端の領域でも、漢方薬が使われており、著名な学術誌でも論文が数多く掲載されています。そんな世界の医学界でも認められた「漢方の実力」を分かりやすく解説します。

十全大補湯の実力

池本哲也先生

西洋医学では対処法に乏しく困っている領域
治療法が限られている膵臓がんの病状進行を免疫強化の面から歯止めする
-十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

池本哲也先生(徳島大学医学部消化器・移植外科)

抑肝散の実力

岩崎鋼先生

西洋医学では対処法に乏しく困っている領域
レビー小体型認知症の妄想や幻覚・幻視の症状を改善する
-抑肝散(よくかんさん)

岩崎鋼先生(総合南東北病院漢方医学センター長)

松田勇紀先生

西洋医学では対処法に乏しく困っている領域
認知症患者の行動・心理症状(BPSD)の治療に加え日常生活動作も改善する
-抑肝散(よくかんさん)

松田勇紀先生(藤田保健衛生大学医学部精神科)

水上勝義先生

西洋医学では対処法に乏しく困っている領域
認知症の「周辺症状」の改善に有効な可能性
-抑肝散(よくかんさん)

水上勝義先生(筑波大学大学院人間総合科学研究科精神病態医学分野准教授)

六君子湯の実力

瀧口修司先生

西洋医学では対処法に乏しく困っている領域
胃切除後の胃がん患者での摂食障害や体重減少の原因となるグレリンの分泌低下に有効
-六君子湯(りっくんしとう)

瀧口修司先生(大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学)

大野哲郎先生

西洋医学では対処法に乏しく困っている領域
制吐剤でも改善できない抗がん剤による食欲不振の副作用を六君子湯が改善した
-六君子湯(りっくんしとう)

大野哲郎先生(群馬大学大学院病態総合外科学、第一外科)

楠裕明先生

西洋医学を含めて最先端の医学
機能性ディスペプシアの患者さんで、消化管運動機能の改善効果が証明された
-六君子湯(りっくんしとう)

楠裕明先生(川崎医科大学総合臨床医学講師)

新井誠人先生

西洋医学を含めて最先端の医学
食欲をコントロールする消化管ホルモンのグレリンを増やし、食欲不振などを改善する
-六君子湯(りっくんしとう)

新井誠人先生(千葉大学医学部腫瘍内科助教)

当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸の実力

日高隆雄先生

西洋医学では対処法に乏しく困っている領域
女性の更年期障害で、ホルモン補充療法に抵抗性の患者に、更年期障害に伴う血管運動症状と精神症状のいずれも改善する
-加味逍遙散(かみしょうようさん)

日高隆雄先生(富山県黒部市民病院産婦人科)

久保田俊郎先生

西洋医学では対処法に乏しく困っている領域
更年期女性に対して最も多く処方される3つの漢方薬は、不眠症状を改善する
-当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

久保田俊郎先生(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科生殖機能協関学教授)

大建中湯の実力

吉川幸造先生

西洋医学では対処法に乏しく困っている領域
大腸がん切除後の炎症を改善する
-大建中湯(だいけんちゅうとう)

吉川幸造先生(徳島大学医学部消化器・移植外科)

堀内朗先生

西洋医学では対処法に乏しく困っている領域
刺激性下剤を使いにくい時に、慢性便秘症に伴う腹部膨満感や腹痛を軽減する
-大建中湯(だいけんちゅうとう)

堀内朗先生(昭和伊南総合病院消化器病センター長)

牛車腎気丸の実力

西岡将規先生

西洋医学では対処法に乏しく困っている領域
FOLFOX療法による副作用の末梢神経障害を予防する
-牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

西岡将規先生(徳島大学消化器・移植外科)

河野透先生

西洋医学では対処法に乏しく困っている領域
抗がん剤オキサリプラチンの末梢神経障害を軽減し、大腸癌の抗がん剤治療をより効果的に進めることができる
-牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

河野透先生(旭川医科大学外科学講座消化器病態外科学分野

麦門冬湯の実力

入船和典先生

西洋医学では対処法に乏しく困っている領域
かぜの後の長引く咳を早期に改善することができる
-麦門冬湯(ばくもんどうとう)

入船和典先生(愛媛大学大学院病態情報内科学(第二内科))

茵ちん蒿湯の実力

河合清貴先生

西洋医学では対処法に乏しく困っている領域
肝切除術後の肝機能悪化や死亡をもたらす、「虚血-再灌流障害」を減らすことができる
-茵ちん蒿湯(いんちんこうとう)

河合清貴先生(名古屋大学医学部腫瘍外科)

補中益気湯の実力

新見正則先生

西洋医学では対処法に乏しく困っている領域
新型インフルエンザ感染に対する予防効果が期待できる
-補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

新見正則先生(帝京大学医学部外科准教授)

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