
高齢者のかぜ
公開日:2010.06.01
カテゴリー:病気と漢方
監修:自治医科大学呼吸器内科教授 杉山幸比古
早めの治療と抵抗力をつけることが大切です
高齢者や虚弱体質の人は、抵抗力が弱まっていることから、かぜを引きやすく、治りにくいのが特徴です。また、胃腸の調子が悪くなったり、かぜを引き金として、気管支喘息がぶり返したり、肺炎などの合併症が起こることもあります。また、間質性肺炎やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)・肺気腫の急性憎悪をひきおこしたりもします。インフルエンザのように症状が激しい場合、重症化すると命にかかわることもあるので注意が必要です。
かぜには特効薬がありません。とくに高齢者や虚弱体質のかぜ予防には免疫力を高め、ウイルスに負けない体を作ること。こじらせないうちに早めに治療することが大切です。とくに、インフルエンザの流行期には、ワクチン接種を必ず受けて、予防することが重要です。
漢方薬にできることは
抵抗力の弱まった高齢者は、かぜの諸症状のほかにさまざまな体の不調を訴えることがあります。このようなさまざまな症状に対応したり、もともと持っている自然治癒力を高めることが漢方治療の特徴です。主な漢方薬としては、顔色が悪く、頭痛や発熱があり、咳が出て悪寒がある場合は麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)。微熱が長引き、痰が多く出て、眠れない場合には竹じょ温胆湯(ちくじょうんたんとう)、長引いて、咳きこみ痰が出ない場合は、麦門冬湯(ばくもんどうとう)。消化器系が弱く、寝汗をかき、食欲不振で疲れやすいなど、虚弱体質の場合は、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などがあり、体質や症状にあわせて使われます。
くらしの中の予防法
- ふだんからカルシウムやビタミン類を補給し、肉や魚、大豆製品などでたんぱく質を摂るなど、かぜを引かない体作りをしましょう。
- 体の弱い高齢者は、かぜの流行期にはなるべく外出を控えましょう。
- 部屋や体を暖かくし、睡眠を十分にとりましょう。
- かぜを引いてしまったら、ウイルスへの抵抗力をつけるためにビタミンAやCを摂りましょう。
- 体を温めるネギやショウガなどの食品を積極的に摂りましょう。
- 発熱で消耗した水分を補給しましょう。