【冷えと漢方編集後記】隠れ冷えは気づきづらい! 不調を体験して冷えを再確認
立春を過ぎ、ようやく春のきざしも見え始めてきたものの、まだまだ寒い日が続いています。今シーズンも多くの人が冷えに悩まされたのではないでしょうか。
40代以降の冷えと漢方vol.1 vol.2では、修琴堂大塚医院院長の渡辺賢治先生に冷えの原因や引き起こされる病、改善方法、そして隠れ冷えのことについてお伺いしました。
冷えの自覚がある方は、普段から防寒グッズで対策を取るなど体を温める意識を持って寒い日を乗り切ってきたことと思います。しかし、「隠れ冷え」の方はどうだったでしょうか。
私も長年「隠れ冷え」のひとりだった者として、振り返れば寒い日にでもむしろ体を冷やしていたのではないかと感じます。手足は温かく顔はほてるので、体をむやみに温めたくなかったのです。
体を冷やす生活をして不調続きの毎日
温かい飲み物は顔がほてるから、冬でも飲み物は冷たいものばかり。温かい飲み物といえば、ホットコーヒーくらい。お酒を飲むにしても体を冷やすキンキンに冷えたビール。40代の現在ならば、見かけただけで凍えてしまいそうですが、10〜20代の頃は真冬でも素足で出かけていました。家の中でも足がほてっているので靴下はほとんど持っていませんでした。今思うとゾッとするような生活です。
こんな生活をしていたのですから当たり前ですが、月経痛はひどく毎月寝込むほどでしたし、いつもだるく疲れやすく、風邪をひきやすい、お腹を壊しやすい、足がむくみやすいなど不調のオンパレードでした。
しかし当時は、自分が「隠れ冷え」で、不調も冷えから来ているものだとはまったく気がついていなかったのです。周囲から「足を出さないで暖かくしなさい」「お腹は温めて」と口酸っぱく言われていても「私は暑いんだから」と全く気にしていませんでした。
その後迎えた30代では体重の増減を繰り返し、アレルギーはひどくなり、頭痛や不眠、胃腸の不調、月経痛、肌荒れ、がん…。私の30代は「元気」と思えた日はほとんどなかったように思います。
隠れ冷えから末端冷えへ 冷え解消への道のり
そんな自覚のない冷えから救ってくれたのが漢方でした。
冷えを改善するために服用を始めたわけではありませんでしたが、だんだんとお腹や太もものあたりが温かくなってくるのを感じ、生活習慣を見直していくうちに、いわゆる末端冷えに悩むようになりました。お風呂に浸かってもすぐに足先が冷えてなかなか寝付けなかったり、デスクワークの最中も手先が冷えてキーボードが打ちづらくなってしまったり……。ここまで来てようやく、これほどまでに自分の冷えが深刻だったことを実感しました。
最近はまだ末端の冷えはありますが、漢方を服用することに加え普段からの養生で未病のうちに改善できています。
ぜひ渡辺先生の記事を読んでいただき、ご自身の冷えと体調について、再確認してみてください。(大場真代)