漢方で便秘を改善させよう!~“たかが便秘”と自己流で悪化させないために(2)病院での治療について
便秘はどの診療科を受診すればいい?何を聞かれるの?
さて、便秘を医師に相談する場合、どの診療科を受診すればよいのでしょうか。かかりつけ医がいる場合はかかりつけ医を、いない場合は「内科」「胃腸科」「消化器内科」「肛門科」などがよいでしょう。また、診察では便秘の症状を知ると同時に、処方する薬を決めるために、問診で以下のことを聞かれる場合があります。正確に答えられるように、準備しておきましょう。
問診項目一例
- 便秘はいつから?
- これまでにかかった大きな病気は?
- 現在治療中の病気は?
- 現在服用中の薬は?
- 普段の平均的な排便回数
- いつもの便の硬さや形
- 便秘に関する自覚症状の有無(お腹が痛い、お腹が張る、残便感、便意の有無など)
- 便秘以外の症状の有無(発熱、体重減少、便に血が混ざるなど)
便秘のつらさはひとそれぞれ、気後れせずに医師に伝えましょう。また、毎日排便があっても、困っていることや不快に感じていることがあれば伝えましょう。
どんな薬が処方されるの?
医療機関で処方される便秘の薬は大きく「緩下剤」「刺激性下剤」「漢方薬」の3種類に分類されます。「緩下剤」は便をやわらかくして、排便を促進する作用があります。「刺激性下剤」は腸を刺激して、強制的に便を押し出す作用があります。「漢方薬」は体質や症状に合わせて選べます。
薬局でも買える薬の中には注意が必要なものも
便秘でよく処方されるだけでなく、ドラッグストアでも買える薬のひとつに酸化マグネシウムがあります。しかし、酸化マグネシウムの長期間の服用や、腎障害を有する患者さん、高齢の患者さんでは高マグネシウム血症を起こしやすくなります。ニューキノロン系抗菌剤やビスホスホネート骨代謝改善剤、活性型ビタミンDなど併用注意薬も多いため、ドラッグストアなどで酸化マグネシウムを購入するときには、必ず薬剤師に相談してください。
また、同じく医療機関で処方され、ドラッグストアでも買える便秘薬に刺激性下剤があります。センナやアロエといった植物由来のものがありますが、長期間連続で使用することで、耐性や習慣性、依存性が生じることが分かっています。酸化マグネシウムと同じく、ドラッグストアなどで購入するときには、必ず薬剤師に相談してください。
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