女性のストレスに伴う不調 漢方ならどうする?(後編)
公開日:2018.02.08
カテゴリー:漢方ニュース
女性のストレスに伴う不調に対する、漢方医学での見方とそれに対する漢方薬について、麻布ミューズクリニックの玉田真由美先生に聞きました。
「気」の巡りの乱れが引き起こす不調
気虚
- よくある症状
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- 疲れやすい
- 食後の眠気
- 元気がない
- やる気が出ない
- そんな時にはこの漢方
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- 四君子湯(しくんしとう)
- 六君子湯(りっくんしとう)
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
気滞
- よくある症状
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- 落ち込み
- 堂々巡りの思考
- 喉のつまり
- 耳閉
- お腹の張り
- 頭重
- そんな時にはこの漢方
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- 香蘇散(こうそさん)
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
- 四逆散(しぎゃくさん)
- 加味帰脾湯(かみきひとう)
気逆
- よくある症状
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- 動悸
- 過緊張
- 歯ぎしり
- イライラ、怒りっぽい
- 発作性の頭痛
- 驚きやすい
- めまい
- そんな時にはこの漢方
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- 抑肝散(よくかんさん)
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
- 柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
- 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
「血」の巡りの乱れが引き起こす不調
血虚
- よくある症状
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- 貧血
- 顔色が悪い
- 皮膚がカサカサ
- 髪が抜ける
- 爪がもろい
- そんな時にはこの漢方
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- 四物湯(しもつとう)
- 帰脾湯(きひとう)
- 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
- 温経湯(うんけいとう)
お血
- よくある症状
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- 冷え、のぼせ
- 月経痛
- 肩こり
- 目の下のクマ
- 便秘
- 痔
- そんな時にはこの漢方
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- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 通導散(つうどうさん)
- 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
「水」の巡りの乱れが引き起こす不調
水毒
- よくある症状
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- 口渇多飲
- むくみ
- めまいや浮遊感
- 軟便や下痢
- 雨の日の頭痛
- 吐き気や乗り物酔い
- 夜間尿
- 頻尿
- そんな時にはこの漢方
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- 五苓散(ごれいさん)
- 防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
- 真武湯(しんぶとう)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 茯苓飲(ぶくりょういん)
- 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
- 猪苓湯(ちょれいとう)
その他の部分が原因で起こる不調
脾胃の機能低下
- よくある症状
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- 便秘と下痢の繰り返し
- お腹の冷え
- お腹の張り
- 冷えによる下痢
- 食欲低下
- 胃腸機能の低下(胃もたれなど)
- 気力体力の低下
- そんな時にはこの漢方
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- 大建中湯(だいけんちゅうとう)
- 真武湯(しんぶとう)
- 人参湯(にんじんとう)
- 四君子湯(しくんしとう)
- 六君子湯(りっくんしとう)
腎虚
- よくある症状
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- 夜間頻尿
- 腰痛
- 物忘れ
- 生殖機能の低下
- そんな時にはこの漢方
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- 八味地黄丸(はちみじおうがん)
- 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
「不調の源であるストレスを軽減させることも重要です。決して放置せず、日常生活の中での取り組みや漢方治療など、不快な症状を改善する方法は見つかります。あきらめずに、不快な症状を取り除きましょう」(玉田先生)
※2018年1月30日「第3回 Kampo Academia プレスセミナー」より