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風邪の治療で使われる漢方薬とは?

公開日:2017.08.30
カテゴリー:漢方ニュース

 風邪をひいた患者さんの漢方薬の選択は、病期で判断します。漢方では熱性疾患の初発時を「太陽病」、そこから進行した状態を「少陽病」、さらに進行すると「太陰病」として考えます。これと同時に重要なのは体力の有無を示す「虚実」という漢方の考えです。

 太陽病期で最も使用されるのが葛根湯(かっこんとう)です。葛根湯は風邪をひき首筋の後ろがこわばった感じの時に有効です。少陽病期では小柴胡湯(しょうさいことう)が最もよく使われます。風邪の場合、発病から四日前後くらいまでが太陽病期、それ以後は少陽病期ですので、引きはじめには葛根湯、それ以上長引く場合は小柴胡湯に変更します。

 高齢者には、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)もよく使われます。いわゆる体力のない虚証気味の高齢者、風邪をひくと寒くて寒くて背中に氷を背負っているようだという表現をする方に非常に向いています。熱も咳もなく喉の痛みのみという風邪では、葛根湯や桂枝湯(けいしとう)などに桔梗湯(ききょうとう)を加えて使うことがあります。また、風邪が長引き、夜も咳がでてきて寝つきが悪くなる、あるいは気持ちの上でもうつ気味という場合に竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)が有効です。

(2017年6月開催 第68回日本東洋医学会学術総会「漢方入門講座 呼吸器疾患の漢方治療-かぜを中心に(北海道漢方医学センター附属北大前クリニック 本間行彦先生)」をもとにQLife漢方編集部が執筆)

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