診療・治療ガイドラインに掲載された漢方薬(3)全身性強皮症
公開日:2017.05.22
カテゴリー:漢方ニュース
全身性強皮症―六君子湯、大建中湯
全身性強皮症は皮膚だけでなく内臓も硬くなる疾患で、難病に指定されています。難病情報センターによると全国で2万人以上の患者さんがいると確認されています。30歳から50歳代の女性に多く見られ、男女比は1:12と言われています。病気の原因は複雑で、まだはっきりとは分かっていませんが免疫異常が関係していると言われています。日本皮膚科学会が2012年に発行した、「全身性強皮症診療ガイドライン」(日本皮膚科学会雑誌)では、六君子湯(りっくんしとう)と大建中湯(だいけんちゅうとう)が掲載されています。
胃などの上部消化管の症状に対し、同ガイドラインでは六君子湯について、「胃壁運動を促進し、胸焼け、膨満感、悪心等の症状を改善することで、上部消化管の症状を改善する薬剤として期待される」とし、「科学的根拠はないが、行うよう勧められる」としています。
また、小腸・大腸の蠕動運動低下に対し、同ガイドラインでは「大建中湯による消化管蠕動運動の改善作用を示す基礎研究は多く、症例報告レベルながら実際の患者において消化管の蠕動運動改善作用を示す報告がみられる」とし、「科学的根拠はないが、行うよう勧められる」としています。
診療・治療ガイドラインに掲載された漢方薬
- 認知症・心身症
- 喘息・咳嗽(がいそう)
- 全身性強皮症
- 前立腺肥大症・男性下部尿路症状