漢方専門医が教える!「漢方薬の飲み方のコツ」とは?
「漢方薬は苦いから…」と、処方されたのにも関わらずなかなか飲めないという人も多いのではないでしょうか。漢方専門医の芝大門いまづクリニック院長の今津嘉宏先生に漢方薬を美味しく飲むコツを聞きました。
漢方薬を“おいしく”飲むコツは
いくら“良薬口に苦し”といえども、生理的に受け付けないレベルになっては、元も子もありません。そんな時には、さまざまな方法で「変える」ことをおすすめします。
【コツその1】形と温度を変える
コップの中に大さじ1杯程度のお湯と漢方薬を入れ、よくかき混ぜてください。お湯は、80度以上が良いでしょう。程よく溶けたところで今度は氷を入れてください。そうすると、匂いや味が抑えられて、飲みやすくなります。
【コツその2】味を変える
漢方薬の「苦さ」が苦手な場合は、味を変えることで飲みやすくしましょう。苦いものに対し、同じような苦いものを混ぜることで、味と香りが相殺されて、飲みやすくなることがあります。そこでおススメなのが抹茶やコーヒー、ココアなど。大さじ1杯程度の水やお湯にこれらと漢方薬を混ぜて飲むのがおススメです。
【コツその3】オブラートを活用する
デンプンでできているオブラートは、口の中に直接入れると粘膜にくっついて破れてしまうことも。オブラートは程よく溶かしてゼリー状にすることで、漢方薬の苦みなどを感じることなく飲むことができます。
(1)コップに少量の水を入れてください。目安は指2本分です。これより少ないとゼリー状になりませんし、これより多いと破れてしまいます。
(2)オブラートに漢方薬を包みコップの中に落としてください。待つこと約2分。徐々に溶け始めるのが見えると思います。
(3)後は水と一緒にのみこめば、ツルっとのどを通り過ぎていきます。
漢方薬を服用するタイミングはいつ?
漢方薬は「食前または食間」に飲むように言われることが多いと思います。これは、漢方薬が自然の生薬から構成されているので、食後に服用すると、食事の内容によっては、効果が強まったり、弱まったりしてしまうためなのです。でも、実際いつ飲めばいいのかわからないという人も少なくないでしょう。そのために飲み忘れてしまうというケースもよく耳にします。
そういうときは厳密に食事の直前、などと考えずに「空腹時に飲む」ことを意識してみてください。朝昼夜と1日3回の服用ならば、「朝、起きてすぐ」、「昼ごはんと夜ごはんの中間」、「その他に空腹を感じた時」と考えるのがよいでしょう。
漢方薬は、空腹時に飲んでも、すぐに食事をとってしまうと、漢方薬と食事が胃の中で一緒になってしまいます。これでは、食後に飲むのとほとんど変わりません。
ですので、漢方薬と食事が胃の中で一緒にならない時間を選んで服用することが大切です。
(監修:芝大門いまづクリニック院長 今津嘉宏先生)