不眠
公開日:2010.06.01
カテゴリー:病気と漢方
監修:九州大学大学院医学研究院 精神病態医学教授 神庭重信
ぐっすり眠れば目覚めもすっきり!
夜、ふとんに入ってもなかなか寝つけない。眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めてしまう。早朝目が覚めて、そのまま眠れない。一睡もできない…。不眠は、経験した人にしか分からない、非常につらい症状です。睡眠には個人差があって、不眠は、本人のふとんから離れるときの不快感、不満感が問題になるのです。眠れないと、日中にはだるさ、眠気が残り、夜にはまた眠れないのではないかという不安で、また寝つきが悪くなる、よいう悪循環。
原因には、騒音や時差など外部環境の変化、痛みを伴う身体の病気、薬物の副作用、精神の病気、更年期障害などのほか、ストレスの影響などの心理的なものが関係していると考えられています。
不眠の原因
- 雑音や時差など外部環境の変化
- 痛みを伴う身体の病気
- 薬物の副作用、精神の病気、更年期障害などのほか、ストレスの影響
漢方薬にできることは
漢方薬は、西洋の睡眠薬のように、1剤で確実に眠れるというものではありません。不眠に陥りやすい体のリズム障害や不調をなおし、原因となる精神的・肉体的な不調を整え、自然な眠りがおとずれるように調節するものです。
虚弱体質で、貧血の人に用いられる加味帰脾湯(かみきひとう)をはじめ、心身が疲れて眠れない場合に用いられる酸棗仁湯(さんそうにんとう)、神経がたかぶった時に抑肝散(よくかんさん)や抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)などが使われます。
くらしの中の予防法
- 快適な睡眠が得られるように、寝室や寝具に工夫をしましょう。
- カフェイン含有の紅茶、緑茶、コーヒーなどの刺激物は就寝前には避けましょう。アルコールはほどほどに。
- 夜間の運動は避け、自分に合った運動を夕方に しましょう。
- 就寝前にゆっくり入浴し、心身ともにリラックスしましょう。