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開業医の日常使用は9割、ただし漢方薬にまつわる「困ったエピソード」もさまざま

公開日:2010.07.28
カテゴリー:漢方ニュース

r_kampo_ca1 エビデンス情報が増えてきたこととあいまって、西洋医学の医師の間でも「漢方薬」を日常診療において処方する動きが広がりを見せている。
 そこでQLifeは全国の開業医にアンケート調査を行って(有効回答200人)、漢方薬が診療所の医療現場でどんな役割を果たし、どんな「困ったエピソード」を引き起こしているのかを浮き彫りにした。

1:日常診療で漢方薬を処方していますか。

日常の診療において漢方薬を使っている医院は、89%にのぼった。「患者の5人に1人以上」に処方している医師も13%いる。逆に、「過去に処方していたが今はしていない」医師も8%いた。年代別にみると、年齢が高い方が「患者5人に1人以上」という積極派が多い。
一方で、「過去に処方していたが今はしていない」医師は若いほど多い。若年層の方が試行錯誤が活発ということか。

主な診療科目別

診療科目別に見ると、特定の科目ではなく、ざまざまな科目において処方されていることがわかった。
特に「耳鼻咽喉科」の処方度合いが高い。逆に「皮膚科」と「その他(泌尿器科・眼科・美容外科など)」は低く、かつ、そもそも処方経験がない医師も多い。


注:「内科系」以外は集計母数が小さく、参考表示

経営状態(収益面)別

注:「経営状態(収益)」=周囲の類似の医院にくらべて「好調と思う」/「不調と思う」/「わからない」から主観的に選択してもらった結果。「※わからない」には「どちらでもない」も多く含まれると考えられるため、参考表示している。

経営状態別に見ると、収益好調な医院の方が、漢方薬使用に積極的だ。

患者層の特徴別

患者層の特徴別に見ると、「更年期の女性が多い」医院で漢方薬の処方割合が高いことがわかる。一方、「高齢者が多い」は相関がみられない。

診療方針(最も重視するもの)別

注:「診療方針」=“あなたは、日常診療において、何を重視していますか。あえて優先順位をつけた場合の、一番上位のものを選んでください”と訊いて、選択肢から単数回答してもらった結果。

診療方針別では、あまり違いが見られなかった。


注: 「医院収益性」「患者の費用負担」「その他」は集計母数が小さいため、グラフでは除外

漢方専門医の身近存在別

注:「漢方専門医の身近存在」=“周囲に、漢方専門医(日本東洋医学会の専門医など)はいますか。一番近いものを選んでください。”と訊いて、選択肢から単数回答してもらった結果

漢方処方ノウハウへのアクセシビリティ別に、積極度合いに違いがあるかを見た。身近に漢方専門医がいる医師の方が、積極的に処方している。

2:患者さんから、「漢方薬の処方が可能か」を質問されたことはありますか。(漢方薬を処方していない医師のみ)

漢方薬を処方していない医師でも、39%が患者から漢方薬処方の可否について問い合わせを受けた経験がある。

3:患者から、漢方薬や漢方薬処方について質問されて、困ったエピソードがありますか。

漢方処方に関して医療現場で起きている実態を垣間見るために、「困ったエピソード」を具体的に聞いた。目立ったのは、以下のような内容であった。

保険適応対応

作用機序説明

漢方診療の独特さ

服薬コンプライアンス

「漢方不信」先入観

「漢方」ひとくくり誤解

不慣れ方剤への対応

なぜ儲かっている開業医は漢方薬を使うのか、治療効果以外にもメリットあるのか

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