腰痛
公開日:2010.06.01
カテゴリー:病気と漢方
監修:こころとからだの元氣プラザ 関 直樹
体のかなめ きたえて防ごう!
くり返し起こる腰の痛み。
「しばらく安静にしていれば治るから」と、がまんしていませんか。
腰痛の原因は、悪い姿勢、太りすぎ、運動不足、脊柱の老化、椎間板ヘルニアや骨粗鬆症、尿路結石などの内臓の病気…とにかく、その種類はさまざまです。
もともと腰痛は、人間が二足歩行を始めたため起こったといわれています。立つことで腰部に大きな負担がかかり、筋肉に疲労が起きてそれが積み重なり、腰痛となったのです。
とくに最近は、長時間パソコンをつかっていて腰痛になるケースが増えているようです。
高齢者の腰痛の主な原因
- 骨粗鬆症
- 骨からカルシウムが抜け出て軽石のようにスカスカの状態になり、もろく、折れやすくなります。
- 腰部脊柱管狭窄症
- 脊椎の後ろ側にある脊柱管が狭くなって、神経を刺激し、鈍痛やしびれが起こります。
- 変形性脊椎症
- 老化のために、背骨に変形が起こってとげのようなものができ、神経を刺激するため痛みが起こります。
漢方薬にできることは
漢方治療では、単に痛みを抑え込むのではなく、血液の循環の改善などによる全身的な治療で、痛みを軽くし、体調を整えます。
漢方薬が適しているとされる腰痛は、慢性の腰痛で、痛みはそう激しくないが、つらいというようなタイプが中心になります。
慢性の腰痛で最も多いのは高齢者の腰痛です。病名でいえば変形性脊椎症とか腰部脊柱管狭窄症の人が多いでしょう。老化にともなって起こりやすいもので、こうした人は他の症状も同時に訴える場合が多く、よく用いられるのが八味地黄丸(はちみじおうがん)や牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)です。手足の冷えがあって寒冷により増悪する腰痛に用いられる当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)、腰部から下肢にかけての痛みがあり皮膚が乾燥傾向の場合に用いられる疎経活血湯(そけいかっけつとう)の他、体質・症状に合わせて多くの漢方薬が使われています。
くらしの中の予防法
- 長時間同じ姿勢は避け、ストレッチ運動をしたりして、血液の流れをよくしましょう。
- イスの高さは自分の足に合わせ深く座り、腰に負担がかからないようにしましょう。
- 重いものを持ち上げるときには、ひざを折り曲げてから腰を浮かすようにしましょう。
- ベッドやイスはやわらかすぎないものを選びましょう。
- 太りすぎは腰に負担をかけるので、体重調整に気を配りましょう。
- 過度の喫煙も筋肉の血のめぐりを悪くし、腰に悪影響をおよぼします。注意したいものです。