成分(生薬)別の注意:麻黄(まおう)
公開日:2010.07.08
カテゴリー:主な副作用と注意の仕方を確認しましょう
監修:秋葉哲生先生(あきば伝統医学クリニック院長)
マオウ科(Ephedraceae)の
Ephedra sinica Stapf又は
その他同属植物の地上茎
興奮、血圧上昇、動悸、
頻脈(心拍数の増加)、発汗過多、
排尿障害などの症状
麻黄(まおう)の副作用は、その主要成分「エフェドリン」の作用によるものと考えられています。
エフェドリンとは、副腎髄質(ふくじんずいしつ=副腎を構成する部分の1つ)から分泌されるホルモンで、神経伝達物質としても知られるエピネフリン(=アドレナリン)と似ている構造のため、共通の作用があります。
その作用とは、「交感神経(活動する時に使う神経)刺激作用」と「中枢神経(脳から脊髄につづく部分で、多数の神経細胞が集まっており、末梢神経からの情報をまとめたり末梢神経に命令を出したりする)刺激作用」です。具体的には、興奮、血圧上昇、動悸、頻脈(心拍数の増加)、発汗過多、排尿障害などの症状が起きる可能性があります。
狭心症や心筋梗塞などの循環器系疾患、高度腎障害、排尿障害、しばしば頻脈、心房細動(不整脈の一種)を伴う甲状線機能亢進症(バセドウ病)の患者さんなどは、症状を悪化させるおそれがあるので、麻黄を含む漢方薬の服用には注意が必要です。
また、エフェドリン類を含む製剤、抗うつ剤として知られるモノアミン酸化酵素阻害剤、甲状腺機能の低下を補う甲状腺製剤、交感神経刺激作用のあるカテコールアミン製剤、気管支拡張作用のあるキサンチン製剤は、交感神経刺激作用を強めるために併用には注意が必要ですので、これらの薬を服用されている方は、診察の際に医師に伝えてください。疑問があったら、必ず医師、薬剤師に相談しましょう。
師に相談しましょう。