ほかの医薬品と一緒に使うときの注意
公開日:2010.07.08
更新日:2020.12.21
カテゴリー:漢方薬の使い方
監修:秋葉哲生先生(あきば伝統医学クリニック院長)
西洋薬との併用は、珍しくない。
病院で処方してもらう漢方薬以外の医薬品は、西洋薬と呼ばれています。
西洋薬の多くは、化学合成された単一の有効成分でできており、血圧を下げる、熱や痛みを取るといった症状や病気にもとづいて使用されます。一方で漢方薬は、多数の有効成分を含んだ生薬の組み合わせで構成されており、体質や症状を漢方医学的にとらえる「証(しょう)」にもとづいて使用されます。つまり、西洋医学は「病気そのもの」をターゲットにするのに対し、漢方医学では、病気を持っている「人」を治療対象と考えます。
漢方薬と漢方薬以外の薬を併用することは、珍しいことではなく、むしろ併用することによって「薬が効きやすくなる」「治療期間が短縮される」「副作用が軽減される」「薬の用量が削減できる」など、西洋薬の限界や欠点を補うさまざまな効果も報告されています。
ただし、なかには併用してはいけないケースもあります。例えば、C型慢性肝炎などの治療に使われるインターフェロン製剤は、合併症として間質性肺炎(肺の間質といわれる部分に炎症が起きる病気)を起こすことがあります。小柴胡湯(しょうさいことう)を同時に飲むと、その頻度が増大するという報告があり、併用は禁止されています。
また、麻黄(まおう)や甘草(かんぞう)がふくまれている製剤も、併用に注意が必要です(参考:主な副作用と注意の仕方を確認しましょう)。これらの生薬の作用を強めたり、促進しあったりする西洋薬との併用には十分注意してください。疑問があったら、必ず医師、薬剤師に相談しましょう。
- 参考
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- 漢方の解説│日本漢方生薬製剤協会<2020年12月15日閲覧>