安中散(あんちゅうさん)
公開日:2023.01.24
カテゴリー:外来でよく使われる漢方薬
監修:井齋偉矢先生(日高徳洲会病院院長/サイエンス漢方処方研究会理事長)
構成生薬
- 桂皮(けいひ)
- 延胡索(えんごさく)
- 牡蛎(ぼれい)
- 茴香(ういきょう)
- 甘草(かんぞう)
- 縮砂(しゅくしゃ)
- 良姜(りょうきょう)
作用の特徴
胃の痛みが改善し、消化機能が回復する
対象となる症状
ストレス性の胃炎
解説
安中散(あんちゅうさん)は、中国・宋の時代に発行された処方集である「和剤局方」に収載された漢方薬です。
安中散の「中」はお腹のことで、「お腹を安んじて諸症状を寛解させる」という意味を持ちます。
安中散は、痩せ型で比較的体力の低下した人の慢性的な胃痛や胸やけがある場合に処方されます。
特に胃痛の原因がストレスである場合に用いられます。
甘いものを好む人に効きやすい傾向があります。それは、甘いものは胃酸の分泌を促進するため、安中散が胃酸過多の状態を抑制する可能性があることを示しています。