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漢方医学とは?

公開日:2021.03.17
カテゴリー:漢方薬とは 監修:秋葉哲生先生(あきば伝統医学クリニック院長)

 漢方薬の話題が出ると、「漢方医学」や「東洋医学」という言葉もセットで登場することがよくあります。
 漢方医学の「漢」は、漢民族の「漢」が由来になっており、「方」は、手段や方法、技術を意味する言葉です。つまり漢方医学とは、「中国の医学の方法・技術を使った医学」という意味を持っています。
 しかし、漢方医学は約1,500年前に中国から伝わった後、室町時代後半から日本独自の発展を遂げてきました。
 中国に伝わる古くからの医学は「中医学」と呼ばれていて、これは中国医学の歴史を尊重しながらも、新しい考え方を取り入れて時代とともに変容しています。そして中医学で用いられる薬は中薬(ちゅうやく)と呼ばれています。

 漢方薬は、漢方医学で用いられる薬のことで、漢方医学とはイコールではありません。漢方医学の治療法には、漢方薬を用いる方法だけでなく、指圧、あん摩、もみ療治である「導引(どういん)」、「鍼灸」のほか、規則正しい生活など心や体によいことを取り入れる考え方である「養生」などがあります。

 日本では、漢方医学は「東洋医学」と呼ばれることもありますが、東洋医学という言葉は明治後期から用いられるようになったものです。ヨーロッパなど「西洋」に対する概念として、漢方医学のことを「東洋」医学と呼ぶようになりました。

 しかし、世界的に見ると、東洋医学はアジア圏で行われている伝統医学すべてを指す場合もあります。アジア圏の主な伝統医学には、中国の中医学、韓国では韓医学、インドのアーユルヴェーダなどがあり、指圧やあん摩、薬効のある食材や植物を用いてつくられた食事や飲み物を用いる「薬膳」などが含まれます。

 一方、自国の東側の海にある国のことを東洋と呼ぶこともあり、例えば中国では日本のことを東洋と呼び、ベトナムでは、インドシナを東洋と呼ぶこともあります。東洋医学が何を指すのか、国やその人の捉え方によって変わることもありますが、一般的には、漢方薬などを用いた日本の伝統的な医学のことを「漢方医学」と呼んでいます。

参考

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